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前世や来世って、もしあれば、と思うとワクワクしますよね。
前世はどんな人生だったのだろう?
来世はどんな人生を送るのだろう?
とくに、来世については気がかりではないでしょうか?
いま不遇の人生であればあるほど「来世こそは幸せになりたい」
こう思われるのではないでしょうか?
- 来世には大金持ちの家に生まれたい。
- 来世こそはプロ野球選手になりたい。
このような期待を持つ方も多いのではないでしょうか。
かくゆう私だって、全くの別の人生も歩んでみたいと考えているひとりです。
しかし、この来世思想ってとても危険だってご存知ですか?
私も知りませんでしたが、いまIS、イスラム過激派が自爆テロを行っているのは、この来世や「天国がある」という思想によるものだったって、ご存知でしたか?
その恐るべき事実について、詳しくみていきましょう。
もしあなたの来世が幸せだと決まっていたとしたら
来世思想の良い点
さて、前世や来世の話はとても楽しいのですが、この思想がどうして危険なのでしょうか。
その理由はお分かりになりますか。
たとえばあなたの目の前に、全知全能の神が現れたとします。
その神が言うことは、すべて本当のことだとします。
そしてその神があなたに向かって「あなたは、来世では大金持ちで、イケメン(美女)と結婚し、幸せに暮らすことが約束されています」と言われたとします。
するとあなたは、どうお考えになりますか?
まず、この今の人生に対する苦痛が和らぎますよね。
この点は来世思想の良い面です。
今の人生に対する辛さが和らいで、少しほっとして生きることができます。
「もしこの人生がダメでも、次は幸せなんだ。じゃあもう、今が辛くても前向きに生きていこう」
そう考えることができますよね。
来世思想が悪用される!?
しかし、一方で昔の権力者や悪い人は、この思想を悪用しました。
つまり、農民に重税を課しますよね。
それでもう農民は首が回らない状態で、とても苦しくなってしまいます。
その怒りの矛先が王様に向かってしまったら、一揆が起こってしまいます。
ですから王様は、怒りの矛先が向かないように宗教をガス抜きの道具にしたのです。
つまり、宗教家を使って農民に「今、苦労すれば苦労するほど、来世は幸せになれる」と伝導して回るわけです。
そうなると、農民は知識がないですから、それを信じます。
「じゃあ、来世に期待して、今は苦労して頑張るか」と考えるわけです。
こうして王様はうまく農民を騙し、統治を固めていたのです。
悪いですね。
ニーチェのいう「ルサンチマン」とは
ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェは、キリスト教がこのような使われ方をしてきた、と指摘しました。
ニーチェの言い方でいうと怨恨(ルサンチマン)です。
このルサンチマンというのは、弱者の遠吠えということです。
キリスト教というのは「弱者こそ本当の苦しみを知っているから、幸せなんだ」という使われ方をしてきたとニーチェは言うのです。
「『弱者でよかった』と考えるのは、強者の思う壺じゃないか」とニーチェは指摘するのです。
キリスト教というのは、反骨心を萎えさせて、弱者を弱者のままに留まらせる使い方をされてきたというわけです。
これは実に興味深い指摘ですよね。ニーチェは勉強になります。
▼そのほかのニーチェの記事
>仏教はニヒリズムなのか? ニーチェの「永劫回帰」から読み解く
来世や死後の世界が、なぜ自爆テロを引き起こすのか
そしてさらに悪い使われ方が、イスラム過激派などによる使われ方です。
我々の一般的な通念では、自爆テロなんて、とてもじゃないですが、できませんよね^^;
めちゃくちゃ怖いじゃないですか。
そして「なんで死ななければならないのだ?」と思います。
たとえば戦争になって「殺さなければ殺される」という状況であれば、命を賭して戦う意義はあると思いますが、わざわざ死ぬために戦うというのは、ある種の宗教的な力がなければ、とてもじゃないができません。
特攻部隊も、「天皇」や「靖国」といった宗教的な思想があったから、可能だったのです。しかし、特攻隊は戦時行為ですから、無差別テロではありませんので、イスラム過激派と同じにするわけにはいきません。
- 自爆テロがなぜできてしまうのか?
- その心理とは一体どういったものなのか?
これについてはもう勘の良い方であればお気づきかと思います。
つまり「今苦しければ、来世で幸せになれる」という思想があれば、いま自爆テロをしたって、ある意味でなんて事もないわけです。
本人は聖戦(ジハード)を戦っているつもりですから、自分は来世で幸せになれるに決まっていると思い込んでいます。
ちなみに、イスラム過激派と、イスラム教は関係がありません。イスラム教はイスラム教です。イスラム過激派は、テロ組織です。
ここで私が言うイスラム過激派の宗教思想というのは、イスラム教の思想とは関係ありません。
私がここで危険と書いているのは、イスラム過激派の宗教思想です。
彼らは、自爆テロをすることで
- 来世で幸せになれる
- これは正しいことだ
- 英雄だ
とデタラメを言うわけです。
そんなことを言えば、教育をまともに受けていない若者などは、簡単に騙されてしまいます。
そして、まんまと自爆テロ要員にされてしまうのです。
だから危険なのです。
来世や死後の世界や天国なんてものが存在しなければ、自爆テロなんてやらないでしょう。
自己犠牲となることを良しとする人ならやるかもしれませんが、自爆テロを実行する人数としてはかなり減るはずです。
来世、死後の世界、天国という考え方は、変に煽ってしまうと飛んでもない危険をもたらすのです。
変な宗教や思想に騙されないために、我々がすべきことは?
我々がすべきことは、そういった来世や死後の世界などといった思想を捨てて「今、この人生を一生懸命生きること」を実践し、そしてのちの世代に伝えていくことです。
「苦しめば幸せになれる」だなんて、そんな二元論にとどまる来世だとしたら、なんてこの宇宙は広がりがないのでしょうか?
騙されてはいけません。
騙されないためにはどうすれば良いのか?
それはまともな教育を受けるということです。
まともな教育こそ、人を正しい判断に導きます。
きちんとした、そして自由な発想ができる教育を受けなければ、我々だって、おかしな思想を信じてしまいかねません。
変な宗教に騙されず、きちんと、そしてまっすぐ生きていくには、冷静な判断力に加えて、騙されない知識が重要になります。
ですから我々は日々、勉強と考え、ひたむきに生きていく必要があるんですね^^
苦しめば、たしかに人間的に成長しますが、死んでは元も子もないですし、仮に来世があったとしても「苦しんだ分、来世では魂のスケールが上がる」といったことはないと思います。
なぜイスラム過激派はテロを仕掛けてくるのか?
しかし、同時に気がかりなのは、なぜイスラム過激派が発生したのか? です。
これはおそらく、長年の欧米という西側諸国による支配が原因でしょう。
サダム・フセインが「大量破壊兵器を持っている」としてブッシュ大統領(当時)が、イラクを侵略し、イラク戦争を引き起こしました。
こういった欧米による蹂躙に、中東の人たちは怒っていたのです。
こういった中東の人たちの怒りは、マイケル・ムーア監督の映画「華氏911」で強く描かれています。
戦争に巻き込まれ、家族みんなの葬式をしたという女性が「私が何をした? アラー」と叫ぶシーンが印象的です。
ブッダの考えは、来世に期待せず「今を生きること」
ちなみに、ブッダは来世や死後の世界、天国を信じていませんでした。
あるかどうか分からないものについて考えるより、今を生きなさい。
これがブッダの教えです。
これを毒矢のたとえ(教え)としています。
- 毒矢が刺さった時、誰に刺されたのか?
- 何で刺されたのか?
- 死んでしまうのか?
そんなことを考えるぐらいなら、先に処置をしろよ、という考え方なんですね。
【関連記事】
>ブッダは信仰心ゼロだった…神様も輪廻転生も、ましてや仏教すら信じないってご存知でしたか
先のことを心配したり、過去にくよくよするより、今できる最善を尽くそうよ、という考えこそ、ブッダの思想です。
- 今を生きること
- 今できることをすること
ブッダはとにかく、これを勧めています 。